ふと目に付いて、岩波文庫の「寺田寅彦随筆集」第1巻を本棚から取り出した。

昨年読んで、期待が大きすぎたのか、さほど印象に残らず、読み終えてさっさと本棚の片隅へおいやられた本だったが、本棚の前で立ち止まって読み始めた「どんぐり」という随筆を一気に読んで、驚愕、賛嘆、感動した。

最後、ありし日の亡き奥さんと同じように、どんぐり拾いに夢中になる息子さんを描写する筆致が、涙を誘う。くだらない「感動」が満ち溢れている昨今、寺田寅彦を再発見できたことをうれしく思う。

天気のよい休日、子供たちを連れてどんぐり拾いに行きたくなった。相変わらず単純だね。