ドクショ

どんぐり/寺田寅彦

ふと目に付いて、岩波文庫の「寺田寅彦随筆集」第1巻を本棚から取り出した。

昨年読んで、期待が大きすぎたのか、さほど印象に残らず、読み終えてさっさと本棚の片隅へおいやられた本だったが、本棚の前で立ち止まって読み始めた「どんぐり」という随筆を一気に読んで、驚愕、賛嘆、感動した。

最後、ありし日の亡き奥さんと同じように、どんぐり拾いに夢中になる息子さんを描写する筆致が、涙を誘う。くだらない「感動」が満ち溢れている昨今、寺田寅彦を再発見できたことをうれしく思う。

天気のよい休日、子供たちを連れてどんぐり拾いに行きたくなった。相変わらず単純だね。

本の雑誌 11月 ツメキリ夜なべ号

毎月書店で取り寄せてもらって購読している「本の雑誌」の最新号を読んだ。相変わらず1ページも読み飛ばすところがない充実ぶり。

今注目しているのは、津野海太郎さんの連載「サブカルチャー創世記 ?本と演劇の20年」。「本とコンピュータ」の編集長である津野さんの自伝的エッセイ。今は大学を出て、「新日本文学」の編集者として働き出したころのお話。花田清輝や野間宏や井上光晴など、戦後文学の代表的存在が集っていた当時の「新日本文学」の熱い空気が感じられて興味深い。

毎回爆笑させられる大矢博子のコラム「煮くずれ本棚」、今月は、電車の中で「キョコンて何?」と大声で尋ねる女子高生と、地下鉄の中で「バスカビル家の犬」の“感動的ラスト”をネタバレされる女子中学生に、笑いこらえきれず。(どちらもオチは本文にあたって確認しておくれ)

新・書を捨てよ、町へ出よう/寺山修司

10年くらい前、寺山修司再評価の波、みたいなのがあって、それに乗っかったのか、それを作り出した源なのか、河出書房から寺山修司コレクションが文庫で出たことがある。

当時なんとなく買ってみた「新・書を捨てよ、町に出よう」をふと読み返してみた。マスオさんとサザエさんの性生活から日本の家制度n抑圧性を指摘してみたり、矢吹丈と力石の関係に衰退する全共闘運動を重ね合わせてみたり、意外とサブカル的なアプローチもあったりして、それなりに面白くはある。

それなりに面白くはあるけれど、もうヒトツのれない。親との桎梏、家制度の抑圧から逃れるための知的冒険という主題は、親となり、家庭というものの大事さを心のうちに抱え込んだ、すなわち、保守へと転向した今の僕には、まったく心に響かない。

それでも「オっ」と思わされる文章があったので、書きとめておく。

  望郷の歌をうたうことが出来るのは、故郷を捨てた者だけである。
  そして、母情をうたうこともまた、同じではないだろうか?

チェ・ゲバラ関連?

アマゾンからメールでお知らせが届いた。

> Subject: チェ・ゲバラを紐解く関連商品のご案内
> Amazon.co.jpで以前に、チェ・ゲバラに関する商品をお買い上げいただいたお客様に、
> このご案内をお送りしています。

チェ・ゲバラに関する本??そんなの買った記憶がナイのだが。。。

こぶし書房の梅本克己『唯物史観と道徳』や、宇野弘蔵の文庫なら買ったことあるけれど、ゲバラに関する本って。。。??

漱石先生ぞな、もし

こないだの日曜日、『週刊ブックレビュー』を見ていたら、半藤一利さんが出ていた。お顔を見るのは初めてだけど、なんとなく想像していた通りの感じだった。

そういえば、前の会社を辞めるときに先輩から餞別がわりに『漱石先生ぞな、もし』をもらっていたのを思い出した。もらったまま一度も読んでないな?。ってことで、読み始めてみたら結構面白い。


印象に残った内容を書き留めておくと、『それから』のヒロインが銀杏返しに髪を結っていることに関して、人妻が銀杏返しを結うときは、ダンナから心が離れていることの証だ、という証言とか、漱石の一校時代の講義や学生とのやりとりの様子などが、面白かった。
後、長塚節の『土』をめぐるエピソードとか、芥川ら若い作家に送った言葉なども、興味深い。

藤村操が漱石の教え子だということは知っていたけれど、鶴見祐輔もそうだったとは知らなかった。有名な話なのかな。
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